市営住宅に入れる条件とは?家賃が決まる仕組みがスッキリわかる!

不動産
  • 市営住宅に入りたいけど自分が対象か分からない!
  • 市営住宅の家賃ってどのような仕組みで決まるの?
  • 入居するにあたり何か注意点があれば教えてほしい!

今回は上記のようなお悩みを解決します。

生活費を抑えるための方法として、市営住宅への引越しはとても魅力的なモノです。

しかし「市営住宅に入る条件ってあるの?」「自分の年収だと具体的に家賃はいくら?」「募集はどこで行われている?」など、入居にあたり疑問は山積みのはず。

今回は市営住宅の基礎知識、事前に知っておきたいデメリットについて解説します。

また、借金で生活が苦しい方向けに「返済額を減らしたり、支払いを免除してもらう方法」や「便利で役立つツール」についてもご紹介しておりますので、最後までご覧ください。

注意ポイント

家賃の低さが魅力の市営住宅ですが、入居にあたり「注意点」も少なくありません。失敗しても簡単には引っ越せないため、情報収集は徹底しておきましょう。

市営住宅とはわかりやすく

市営住宅とは、低所得で住む場所に困っている方(シングルマザー・生活保護受給者など)が安い家賃で暮らせるように、市が国の協力を得て提供する賃貸住宅のこと。

市営住宅に住むメリットは下記の4つになります。

  • 家賃がとにかく安い
  • 無職・自営業・非正規の方でも入居できる
  • 礼金・仲介手数料・更新料がかからない
  • 児童扶養手当の支給対象者となりやすい

年収にもよりますが、一般の賃貸住宅の1/2から1/3程の家賃で住めることが多いです。衛生管理や防犯対策も徹底されているので、住み心地は悪くないでしょう。

また、民間の賃貸住宅とは違い、入居にあたり雇用形態が問われないのもメリットです。連帯保証人がいれば、無職や自営業など収入が安定しない方でも借りられます。

ちなみに、県営住宅と勘違いされやすいですが「貸主」が異なります。市営住宅は「市」、県営住宅は「県」がそれぞれ建設して、提供している住宅になります。

市営住宅に入れる条件

市営住宅に入るためには、下記3つ全ての条件を満たしている必要があります。

  • 現在、住宅に困っていること
  • 世帯の政令月収が158,000円以下であること
  • 申込者本人が国税・市税等を滞納していないこと

政令月収とは、入居を希望する世帯全員の「総所得金額」から「給与所得控除額」「寡婦控除額」「ひとり親控除額」などを差し引き、その額を12で割ったモノです。

「政令月収」=「年間総所得額-控除合計額」÷「12ヶ月」

寡婦控除・ひとり親控除の「条件」や「控除額」については下記をご覧ください。

控除名条件(本人または同居家族が下記に該当する場合)控除額
寡婦控除・夫と離婚してから婚姻していない方で、扶養親族を有し、年間所得の見積額が500万円以下の方。
・夫と死別してから婚姻していない方、または夫の生死が不明である方で年間所得の見積額が500万円以下の方。
270,000円※1
ひとり親控除・現に婚姻をしていない方、または配偶者の生死が不明である方。
・事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいない方。
・生計を共にする子(年間所得の見積額=48万円以下)がいる方。
・年間所得の見積額が500万円以下である方。
350,000円 ※2

※1 所得が270,000円以下の場合はその金額
※2 所得が350,000円以下の場合はその金額

ちなみに、裁量世帯(60歳以上の世帯・障害者世帯・小学校就学前の子どもがいる世帯)の場合は「政令月収=214,000円以下」が入居条件となります。

市営住宅の多くは「家族で住むこと」を想定のうえ建設されていますが、下記いずれかの条件を満たしている方の場合は1人で入居することも可能です。

  • 満60歳以上である
  • 障害がある(身体障害1~4級、精神障害1~3級、知的障害A・B)
  • 生活保護を受給している

次の章では「自分が市営住宅の入居対象者か確認できる書類」「家賃が決まる仕組み」について解説しておりますので、こちらも合わせてチェックしてみてください。

市営住宅の家賃が決まる仕組みとは?計算方法も紹介!

前の章で、市営住宅に入るには政令月収が158,000円以下(裁量世帯:214,000円以下)でなければならないと解説しましたが、計算が難しいと感じる方も多いはずです。

そんな方は下記の書類を確認しましょう。

  • 会社員・パート・アルバイト ⇒ 源泉徴収票の総収入額
  • 会社経営者・個人事業主・フリーランス ⇒ 確定申告書の所得金額

書類の金額が下記を超えていなければ、入居条件を満たしていることになります。

【源泉徴収票の総収入額】

世帯区分 単身者 2人世帯3人世帯
一般世帯2,967,999円以下3,511,999円以下3,995,999円以下
裁量世帯3,887,999円以下4,363,999円以下4,835,999円以下

【確定申告書の所得金額】

世帯区分 単身者 2人世帯3人世帯
一般世帯1,896,000円以下2,276,000円以下2,656,000円以下
裁量世帯2,568,000円以下2,948,000円以下3,328,000円以下

書類記載の金額を12ヶ月で割ったモノが、家賃を決める「収入月額」となります。

「収入月額」=「源泉徴収票・確定申告書記載の金額」÷「12ヶ月」

市営住宅の家賃はいくら?

市営住宅の家賃は所得によって決められています。源泉徴収票・確定申告書記載の金額を12で割って出た「収入月額」が、下記のどこに当てはまるかを確認しましょう。

【家賃算定基礎額】

区分収入月額家賃算定基礎額
1104,000円以下34,400円
2104,000円を超え123,000円以下39,700円
3123,000円を超え139,000円以下45,400円
4139,000円を超え158,000円以下51,200円
5158,000円を超え186,000円以下58,500円
6186,000円を超え214,000円以下67,500円
7214,000円を超え259,000円以下79,000円
8259,000円超え91,100円

収入月額が104,000円以下の方の場合、家賃=34,400円で借りられるという訳です。

一般世帯の入居条件が「収入月額=158,000円以下」となっているのに、なぜ表に「158,000円超え(区分5~8)」が入っているの?と気になる方もいるかと思いますが、こちらは入居後に収入が増えた・扶養家族が減ったという方のためです。

市営住宅の場合、入居後3年は収入が上がったとしても、それに対応する家賃を支払っていれば住み続けることができます。(ただし住宅の明け渡し努力義務は生じます)

また、上記でご紹介した「家賃算定基礎額」はあくまでも基準となる家賃です。年収だけではなく、下記の要素も踏まえて最終的に家賃は決められます。

  • 立地
  • 住宅の広さ
  • 築年数
  • 利便性
  • エレベーターの有無

そのため、建物が古くてリフォームをしていない・立地が悪く周りにスーパーがない・駅が遠いといった場合は「家賃=10,000円前後」の住宅もあったりします。

市営住宅の募集について

市営住宅の入居申込の募集は年に3回程(1・6・10月)行われています。自治体のHPや市区町村「住宅担当課」の掲示板に載っているので、定期的に確認しましょう。

申込に必要な書類は下記の5つです。

  • 入居申込書
  • 住民票の写し(入居者全員分)
  • 所得課税証明書(最新年度のモノ)
  • 市税等の完納証明書・納税証明書
  • 住宅を所有していないことの証明書

申込が多い場合は「抽選」がほとんどですが、中には「先着順」で決める場合もあります。不安な点があれば、市区町村「住宅担当課」に問い合わせてみましょう。

下記では「市営住宅のデメリット」を解説しておりますので、ぜひご覧ください。

事前に知っておきたい市営住宅のデメリットとは

民間が提供する賃貸住宅よりも安く住めるのがメリットの「市営住宅」ですが、実はデメリットも多くあります。中でも特に注意したいのが下記の5つです。

  • 設備が整っておらず、初期費用が結構かかる
  • 希望者が多く、いつ入居できるか分からない
  • 治安が悪く、子どもの育成環境に合わないことも
  • 班長制度あり・行事(主に清掃)に強制参加
  • 郊外の市営住宅の場合は車がないと生活できない

入居にあたり「照明器具」「給湯器」「エアコン」などは自分で用意しなければなりません。敷金や引越し代を含めると、初期費用で50万円近くはかかってしまいます。

また、市営住宅の入居申込は常に殺到しており、申請したからといってすぐに入れる訳ではありません。平均10~20倍、人気の場所は100倍を超えると言われています。

注意ポイント

とはいえ、倍率が低い市営住宅に引っ越すのも危険!そのような住宅は治安が悪いことが多く、下記のように子どもの育成環境に合わないことがほとんどです。

早く引っ越したいあまりに適当に物件を選んだせいで、物騒な場所の市営住宅に入ってしまいました。中学生の娘は通学が大変で、夜は騒音がうるさく勉強に集中できないようです。もう少し慎重に選べば良かったです。(40代前半女性)

市営住宅に入ったぐらいから息子がグレ始めました。周りに遊べるような場所がなく、近所の不良グループと度々絡んでいたからだと思います。無理やり低家賃の所に住もうとした私の責任であり、申し訳なく感じてます。(40代後半女性)

このように焦って住居選びをすると、後悔・失敗をしやすくなります。大切なのは、金銭的な余裕を持ったうえで、その家族に合った「市営住宅」を探すことです。

年収が低いのであれば、まずは家計を見直して金銭的な余裕を作り出しましょう。

また、借金を背負っている状況なら「借金救済制度」を利用して、借金がいくら減額できるか調べてみるのがおすすめです。もちろん、費用は一切かかりません。

子どもが成長すると身動きが取りづらくなるので、できることから始めましょう。

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