親の介護は長期にわたるケースが多く、その分費用も高額になりがち。当初想定していた金額以上に出費がかさみ、今後の介護生活に不安を感じている方も少なくないはずです。
しかし、「高額介護サービス費」を利用すれば、介護費用が大幅に抑えられることはご存知でしょうか。
そこで今回は高額介護サービス費の「負担限度額」や「申請方法」「事前に知っておきたい注意点」について分かりやすく解説していきます。
また、借金を抱えている方向けに「借金を減らしたり、支払いを免除できるもうひとつの制度」や「使うべきおすすめのサービス」についてもご紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
高額介護サービス費の手続き方法や負担限度額について
高額介護サービス費とは、「1ヶ月にかかった介護費用の自己負担額」が事前に定められた「負担限度額」を超えた場合に、介護保険から「超過分」が払い戻される制度のこと。
例えば、1ヶ月の介護費用の自己負担額が「10万円」で、負担限度額が「7万円」の場合
上記の計算式から分かる通り、後日「3万円」が介護保険から払い戻されるという訳です。
自己負担限度額
自己負担限度額は「所得」に応じて、下記のように定められています。
区分 | 自己負担限度額(月額) |
年収約1,160万円以上 | 140,100円(世帯) |
年収約770万~1,160万円 | 93,000円(世帯) |
年収約770万円未満 | 44,400円(世帯) |
世帯全員の住民税が非課税 | 24,600円(世帯) |
前年の「公的年金収入額」と「その他の合計所得金額」の合計が80万円以下 | 15,000円(個人) |
生活保護を受給している方 | 15,000円(世帯) |
申請方法
限度額を超える介護費用が発生した場合、2~3ヶ月後に自治体から「支給申請書」が送られてきます。必要事項を記入し、捺印のうえ、役所に郵送・持参すれば手続きは完了です。
受理されると「支給決定通知書」が届き、指定した口座に「超過分」が振り込まれます。
ただし1点注意しておきたいのは、「全ての介護費用」が支給対象ではないということ。
- 介護施設に入所した際の食費・居住費・生活費
- 福祉用具の購入費やレンタル費・住宅改修費
- 配食・家事支援・見守りサービスにかかる費用
- 支給限度額を超えて使った自己負担分
介護施設の「居住費」や、車椅子などの「福祉用具の購入費」は、残念ながら対象とはなりません。仮に数十万・数百万円になったとしても、自分たちで負担する必要があります。
高額介護サービス費を利用したからといって、必ずしも負担が和らぐ訳ではないのです。
また「申請」から「超過分の振込」までに、2ヶ月以上がかかることにも注意すべきです。
もし、借金で生活がキツキツな状態であれば、「高額介護サービス費」だけを充てにするのは危険でしょう。滞納で利息が膨らみ、さらに返済額が増えることにもなり兼ねません。
そんな場合は、今のうちに「借金救済制度」を利用し、借金を減額・免除してもらうのがおすすめ。条件にあてはまれば短期間で借金問題が解決できるので、気分的にも楽なはずです。
医療費・介護費が年々増加している時代だからこそ、早めに対策を講じておきましょう。