- 定年退職後は年金だけで生活していける?
- 定年退職後もアルバイトなどで働くべき?
- 老後を見据え何か準備すべきことはある?
今回は上記のようなお悩みを解決します。
人生100年時代と言われる今の日本。定年退職を迎えてもこの先の人生は20年・30年と続き、果たして生活していけるのか?と不安に感じている方は多いはずです。
先に結論からお伝えすると、余程資金に余裕がない限り、老後生活はお金の面で苦労が強いられます。特に「年金のみで生計を立てよう」と考えている方は危険です。
今回は「定年退職後の生活が年金だけでは厳しい理由」や「老後貧困に陥らないための方法」を解説します。後悔ない人生が過ごせるよう、準備を進めていきましょう。
【悲報】定年退職後の生活を年金だけに頼るのは危険
定年退職後はもう働きたくない、足腰が衰えた中で若い世代と同じように働くのは無理・・・このような理由から、年金だけで暮らそうと考えている方は多いはずです。
しかし残念ながら、定年退職後の生活を年金だけで支えるには限界があります。理由はシンプルで「年金の受給額」よりも「生活費」の方が上回ってしまうからです。
夫婦2人世帯の平均年金受給額 | 夫婦2人世帯の1ヶ月あたりの生活費 |
約22万円 | 約25.5万円 |
参考:総務省統計局|家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)
上記の生活費はあくまでも平均的な金額です。ゆとりのある老後生活を送るには「1ヶ月あたり36万円」が必要だとも言われ、年金だけで賄うのは到底不可能になります。
ちなみに年金のみで暮らす高齢世帯はたったの24.9%しかいません。
特に近年は「物価高」「介護保険料の値上がり」が激しく、生活コストが上昇し続けています。年金だけを頼りにしていると、生活が苦しくなるのは目に見えています。
定年退職後に生活が苦しくなる人の特徴
定年退職後に生活が苦しくなる人の特徴は下記の4つです。
- 年金のみを充てにしている
- 貯金が底をつきそうな状況
- 定年退職後も生活水準が同じ
- 住宅ローンが残っている
1つずつ順番に解説していきます。
1. 年金のみを充てにしている
ご紹介している通り、年金のみを充てにしていると定年退職後の生活はかなり苦しい思いをすることになります。得るお金よりも支出の方が上回る形になるでしょう。
ネット上でも年金だけでは厳しいといった声が多く見られます。
65歳で年金のみで生活をしています。年金額は年間200万ちょっとです。このままだと老後がしんどいのでアルバイトをしょうと思っているのですが、月にどのくらいの収入だったら、年金額は減額されないのでしょうか?引用元:Yahoo!知恵袋
中には子どもに仕送りをしてもらっているといった高齢者も見られました。特に近年は受給できる年金額が減少傾向にあるので、生活資金が足りない方が目立ちます。
2. 貯金が底をつきそうな状況
貯金が底をつきそうな人も、定年退職後に生活が苦しくなる人の特徴の一つです。
特に60歳で定年を迎え仕事を辞めた場合、年金が支給される65歳までは退職金と貯金が生活を支えるお金になります。貯金がないと厳しいのは言うまでもありません。
どのくらい貯金があれば安心ですか?
テレビでは「老後2,000万円問題」などと言われますが、最低でも500万円から1,000万円程は用意しておきたいところです。
貯金が少ないと生活するのだけで精一杯で、旅行に行けなかったり、冠婚葬祭を辞退せざるを得ないなど、満足のいく老後生活が送れない可能性があります。
3. 定年退職後も生活水準が同じ
退職金や年金が受給できるといっても、定年退職後は定年前よりも収入は減少していくモノ。定年退職後に現役時と同じ額の収入を得るのはほぼ不可能です。
そんな中で、定年前と同じような生活水準で日々を過ごしていると生活は苦しくなっていきます。毎月赤字が続き、気づけば貯金にまで手を出してしまうでしょう。
とはいえ、一度上げた生活水準を下げていくのは簡単なことではありません。日々の生活を見直し、少しずつ無駄な支出を減らしていけるかがポイントになります。
4. 住宅ローンが残っている
定年を迎えても住宅ローンが残っている場合は要注意です。得た収入の半分近くをローンの返済に充てなければならず、日々の生活に悪影響を及ぼすことになります。
ネット上では下記のような声が見られました。
今年3月で定年を迎えますが住宅ローンが75歳まで残っているのですが 支払いができず85歳までに延長したいのですが?85歳まで返済可能な銀行を教えていただけますか?引用元:Yahoo!知恵袋
定年退職後2~3年以内に完済予定であれば問題ないですが、この先10年以上も返済が続く場合はかなり危険です。最悪の場合、返済できず「滞納」ともなり兼ねません。
多額の住宅ローンが残っていると、老後「第二の人生」に様々な影響が出ます。後悔のない老後を送るためにも、今一度ローンについて考えておく必要があるでしょう。
老後貧困に陥らないために今から準備すべきこと5選
老後貧困に陥らないために今から準備すべきことは下記の5つです。
- 再就職を考える
- 固定費・生活費を見直す
- 健康な体作りを目指す
- 公的な支援制度を活用する
- 住宅の売却を検討する
1つずつ順番に解説していきます。
1. 再就職を考える
退職金や年金だけでは生活が難しいと判断した場合は、再就職するのが良いでしょう。アルバイトやパート勤務でも、働くことで「生活資金」を得ることができます。
特に最近は人手不足により、65歳以上の方を採用する企業が増加してきています。また、適度な労働はお金の面だけでなく、日常に生きがいをも与えてくれるはずです。
2. 固定費・生活費を見直す
老後貧困に陥らないために必ずやっておきたいのが「固定費」「生活費」の見直しです。特に定年前と同じような生活水準で暮らしている方は優先的に行いましょう。
見直すべき項目は下記の5つです。
- 住居費
- 食費
- 水道光熱費
- 各種保険料
- 冠婚葬祭費
定年退職後は生命保険について見直すべきタイミングでもあります。今一度「保険料」「加入プラン」を確認し、その必要性について考えておきましょう。
3. 健康な体作りを目指す
不健康になると医療費がかかるだけでなく、仕事ができず労働収入も途絶えてしまいます。そのため、病気やケガをしにくい健康な体作りを目指すことが重要です。
まずは毎日30分ウォーキングを行うことから始めてみましょう。また自宅で筋トレを行うと、基礎代謝が向上したり、腰痛や膝痛の予防・改善にも効果的です。
適度な運動は認知症の予防にも良いと言われています。
4. 公的な支援制度を活用する
日本には生活資金で悩む高齢者に向けた支援制度が様々備わっています。定年退職後に生活が厳しいと感じた場合は、下記のような支援制度を活用するのも有効です。
【高齢世帯が利用できる主な支援制度】
種類 | 特徴 |
年金生活者支援給付金 | 年金やその他の所得の合計が一定額を下回った際に、年間約6万円が年金に上乗せして支給される |
生活困窮者自立支援制度 | 住む場所がない・働く場所がないなどの状況に直面した際に、自治体からその状況に応じた支援が受けられる |
高額療養費制度 | 医療機関の窓口で支払う1ヶ月の自己負担額が定められた限度額を超えた際に超過分が払い戻される |
高齢者公共交通機関利用助成 | 65歳を超えるとバスや電車の運賃が割引される(自治体によって詳細は異なる) |
生活保護 | 生計が維持できない・身内に頼る人がいない場合は生活保護が受けられ、1ヶ月あたり10~13万円が支給される |
利用条件や申請方法は制度ごとに異なります。気になる方は自治体に問い合わせたり、市区町村役場の「生活支援課」に足を運ぶと良いでしょう。
5. 住宅の売却を検討する
住宅を売却するのも、定年退職後に老後貧困に陥らないための方法の一つです。
住宅を売却すればローンの返済義務はなくなりますし、固定資産税の支払いも不要になります。まとまった資金が手に入るため、生活にもゆとりが生まれるはずです。
家を建ててから20年・30年が経過すると、住宅にはガタが出始めてきます。その度にリフォーム工事が必要になり、数百万円単位でお金が飛んでいくことでしょう。
また、子どもがいる時に購入した住宅であれば、家の中に使っていないスペースもたくさんあるはずです。これらを考慮すると、住宅の売却は悪い選択ではありません。
ローンを払い続けるのは難しい、今の自分たちに合った家に住み替えたい・・・という方は、まずは「現在の不動産の価値」を調べるところから始めてみてください。