- 育児で仕事を休んでいる間は会社から給料は出るの?
- 育休手当があると聞くけど、対象なのか分からない!
- 育休手当の金額や期間・申請方法について知りたい!
今回は上記のようなお悩みを解決します。
休業して育児に専念したい!と思っても、気になるのはやはりお金のことでしょう。
しかし、休業期間中は「育休手当」として、給与の約2/3がもらえることはご存知でしょうか。家計を支えるうえで大変心強い制度なので、申請しない理由はありません。
今回は育休手当の基礎知識と、事前に知っておきたい落とし穴について解説します。
また、借金で生活が苦しい方向けに「返済額を減らしたり、支払いを免除してもらう方法」や「便利で役立つツール」についてもご紹介しておりますので、最後までご覧ください。
注意ポイント
出産・育児には相当な労力がかかります。手続きに手間をかけないためにも、事前に書類を用意するなど、できる準備は早めに済ませておくことが大切です。
育休中の給与はどうなるの?
まず気になるのが、育休中は会社から給与が支払われるのか?ということでしょう。
結論から言うと、会社は育休中の従業員に対して給与を支払う義務はありません。そのため、一部の会社を除いては、基本的に「育休中=給与なし」となります。
もちろん、給与と同様に、家賃補助や資格手当・役職手当なども支給されません。
しかし、育休中は給与の代わりとして雇用保険から「育休手当」がもらえます。ですので、会社から給与が支払われないからといって、育休を諦める必要はないのです。
育休手当は条件を満たしていれば、正社員だけではなく契約社員・派遣社員・パートも対象となります。詳しくは次の章で解説しておりますので、ぜひご覧ください。
注意ポイント
育休(育児休業)に似た言葉として「育児休暇」がありますが、育児休暇は会社が独自に設置している制度で、給与・手当の有無や期間に決まりはありません。
育休手当(育児休業給付金)振り込みまでの流れ
育休手当とは、1歳未満の子を育てるために会社を休業した際、その期間の生活を保障するために支給される手当のこと。「育児休業給付金」と呼ばれることも多いです。
ここでは、育休手当の「支給条件」「金額」「申請方法」について解説します。
支給条件
育休手当をもらうためには、下記5つ全ての条件を満たしている必要があります。
- 雇用保険に加入していること
- 育休前2年間に11日以上働いた月が12ヶ月以上あること
- 育休中の給与が休業開始前の80%未満であること
- 育休中の就業日数が月10日もしくは80時間以下であること
- 育休終了後に職場復帰する意思を持っていること
男女を問わないため、母親はもちろん父親も「育休手当」の対象者となります。
また、育休中も働くことは可能ですが、「就業日数=10日以下」でなければなりません。10日を超える場合は、月80時間以下を守る必要があるので注意してください。
支給金額
育休手当の1ヶ月あたりの支給金額は下記の計算式で出されます。
休業開始6ヶ月以内 | 「賃金日額」×「支給日数」×「67%」 |
休業開始6ヶ月以降 | 「賃金日額」×「支給日数」×「50%」 |
賃金日額とは、休業前6ヶ月の給与を180(6ヶ月×30日)で割った金額で、この給与には賞与(ボーナス)は含まれません。また、支給日数においては原則30日です。
例えば、賃金日額8,000円(月給24万円)の場合の支給額は下記の通りになります。
1ヶ月あたりの支給額 | |
休業開始6ヶ月以内 | 8,000円×30日×67%=160,800円 |
休業開始6ヶ月以降 | 8,000円×30日×50%=120,000円 |
1ヶ月あたりの支給額には上限が設けられており、その金額は「休業開始6ヶ月以内=305,319円」「休業開始6ヶ月以降=227,850円」です。
ちなみに、育休手当としてもらえるお金は非課税に該当するため、所得税・住民税などの支払いは発生しません。社会保険料においても育休中は免除されます。
いつからいつまで受け取れる?
支給期間は原則「育休開始日」から「子が1歳の誕生日を迎える前日」までですが、母親の場合は産後8週目までは産休扱いとなるため、その翌日から開始となります。
ただし、下記の条件を満たしていれば6ヶ月間(子が1歳半まで)の延長が可能です。
- 申込を行っているが入所できる保育所が見つからない
- 子の養育予定者が死亡・病気となり育児が困難になった
- 離婚などが理由で子の養育者と別居状態になった
- 新たに妊娠し、6週間以内に子が生まれる予定である
子が1歳半になっても状況が変わらない場合は、2歳になるまで再延長されます。
申請方法
育休手当の申請手続きは基本的に会社が行ってくれます。本人がハローワークに直接申し込むことも可能ですが、時間・労力がかかるので会社に任せると良いでしょう。
申請手続きの流れについては下記を参考にしてください。
- 会社に育児休業を取りたい旨を伝え、必要書類を提出する
- 管轄しているハローワークに会社が育休手当の申請を行う
- 審査が行われて通過すると「支給決定通知書」が交付される
- 支給決定日から約1~2週間後に育休手当が振り込まれる
- それ以降は2ヶ月ごとにハローワークに申請が必要です
他の給付金よりも入金のタイミングが早く、早い場合は1週間程で振り込まれます。
ほとんどの書類は会社が用意してくれますが、下記の書類は本人で用意が必要です。
- 育児を行っていることが確認できる書類(母子手帳など)
- 本人確認書類(運転免許証など)とマイナンバーカード
- 育休手当を受け取るための口座通帳の写し
分からないことがあれば、会社の総務や人事部に問い合わせてみると良いでしょう。また下記では「育休手当の落とし穴」を解説しておりますので、ぜひご覧ください。
事前に知っておきたい育休手当の落とし穴とは
休業中の生活を支えるうえで心強い「育休手当」ですが、落とし穴も潜んでいます。中でも特に注意したいのが、手当が出るといっても収入の減少は避けられないこと。
もらえる金額は休業前の給与の5~7割程に減ってしまうのが現実。言い換えれば、月給20万の人なら10~14万円に、月給30万の人なら15~21万円になってしまう訳です。
子どもを育てていくには、何かと出費がかさむモノ。内閣府が発表している統計によると、0~2歳の子どもを育てるのにかかる1年間の費用は下記の通りとなっています。
年齢 | 1年間にかかる費用 |
0歳 | 93,1万円 |
1歳 | 87,8万円 |
2歳 | 94.3万円 |
そんな中で「家賃」「光熱費」「住民税」なども支払っていかなければなりません。
もし借金を背負っている状況なら、生活が厳しくなるのは言うまでもないでしょう。最悪の場合、返済が追いつかなくなり、借金を滞納することになってしまいます。
そんな事態にならないためには、いまのうちに「借金救済制度」を利用して、借金を減額・免除できるか調べておくのがおすすめです。もちろん、費用はかかりません。
子どもが成長するとさらにお金がかかることになるので、借金は早めに整理しておくことが大切です。